グランドデザインとは

池田記念講堂
創造的人間を育成する大学に

創造的人間を
育成する大学に

我々が希望を抱いた21世紀。しかし、その現実は教育界をはじめ、社会のあらゆるところで混迷の一途をたどっています。閉塞感のある社会にあって、その状況を変えゆく人材が求められており、高等教育に携わる者の責任は重大であると深く受け止めています。いかなる時代にあっても、建学の精神を体現し、新たな価値を創造してゆく「創造的人間」の育成こそ、創価大学の使命であります。

創価大学グランドデザインの
アクション・プラン

1998年4月に第1回目が発表されて以来、学長が毎年度のはじめに教育ヴィジョンを発表しています。このヴィジョンは、広く学内各部局関係者の声を反映し、達成・実現度を年度末に総括し、その過程で、次年度ヴィジョンの策定に入るというサイクルができあがっており、大学運営の骨格をなしています。 これまで「教育ヴィジョン」という名称で、その年度の取り組みを学長名で発表してきました。近年は、グランドデザインにおける「教育」「研究」「学生支援」「国際」「生涯教育」等に関する取り組みをまとめたものとなっており、教育に限らず、その内容は多岐にわたっているため、2018年度より「教育ヴィジョン」から「学長ヴィジョン」に改称しました。

2018アクションプラン

2018年度創価大学学長ヴィジョン

本年2月に発表された「スーパーグローバル大学創成支援」事業の中間評価において、「S」評価(S/A/B/C/Dの5段階評価の最上位)という結果を得た。中間評価では「優れた取り組み状況であり、事業目的の達成が見込まれる」との評価に加え、「情報共有と確実な学習成果を挙げるための真摯な教育や改善のための努力、またそれらを実現するための教職協働による大学運営が優れた成果へと繋がっている点は高く評価できる」と、本学の教職学一体となったグローバル化への取り組みが評価されたことは、大きな喜びであり、全学の関係者に感謝したい。本年は事業最終年度となる2023年への第二の出発とも言える。卒業までの全ての授業を英語で実施するEnglish Medium Program(EMP)の本格的導入に伴い、本年9月には秋学期入学の留学生の受入れを実施する。また、本年度で採択5年目を迎える「大学教育再生加速プログラム(AP)」についても、アクティブ・ラーニングを中心とした事業計画を着実に履行していく。
また、本年4月に、「スーパーグローバル大学創成支援」事業で、その構想に掲げた大学院「国際平和学研究科」を、そして、通信教育部には新たに「文学部」を開設した。本学は8学部、5研究科、2専門職大学院、通信教育4学部体制となった。理工学部、看護学部を除く6学部においては、この4月より新カリキュラムがスタートした。創造的世界市民の育成に向かって、アセスメント・ポリシーを定め、さらにパワーアップしたシステムによって、グランドデザインの目標達成に向けて、教育の一層の充実に取り組むだけでなく、それを可視化・評価できる体制も構築していく。
昨年度は、竣工したばかりの男女国際寮に新入生を迎え、グランドデザインの第3ステージをスタートした。この一年の学生の活躍も目を見張るものがあった。「ユヌス&ユースソーシャルビジネスデザインコンテスト2017」の学生部門で本学経営学部の安田ゼミが優勝し、フランスのパリで開催された「Global Social Business Summit 2017」に参加した。「第17回全日本大学ディベート選手権大会」では、創価大学チームが日本一に輝いた。また、ドイツ・ミュンヘンで開催されたG20加盟国を中心に24か国・地域の女性代表が集う「Girls20サミット2017 国際女性会議」に本学の女子学生が日本代表として選抜され、3年連続の参加となった。さらに、文部科学省が官民協働で取り組む留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の第8期生に、私立大学で第3位の合格者数となる8名が選ばれた。その他にも数多くの国際会議やコンテスト、資格試験や進路、地域貢献等々、学生たちは日頃の活動成果を、様々な分野で発揮することができた。
研究分野では、昨年度文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」に、本学が申請した「途上国における持続可能な循環型社会の構築に向けた適正技術の研究開発と新たな地域産業基盤の形成」が採択された。この他、「JICA(国際協力機構)草の根技術協力事業」において、太平洋の島国・ミクロネシア連邦の環境問題の解決に向けて、八王子市と本学が共同して参画することとなった。
学生のみならず、教職員が思う存分に力を発揮できたのも、日頃より日本全国・世界各地でご支援くださる皆様のお陰であり、心より感謝申し上げたい。
いよいよ創価大学グランドデザインも第3ステージに入り、ゴールと定めた2020年が近づいてきた。創造的人間、創造的世界市民の育成を目指した様々な取り組みも、総仕上げの時期を迎えている。
本年度は、創立者池田大作先生の「日中国交正常化提言」発表から50周年の佳節を迎える。これを記念して、本年9月には創価大学で、10月には中国でシンポジウムを開催する。50年前の提言を今再び確認することで、日中友好の絆をさらに深めていく機会にしてまいりたい。
そして、本年度より二つの大きな事業の検討を開始する。それは創立50周年記念事業と2021年以降の次なる中長期計画の策定事業である。多くの皆様の協力を得ながら、これらの事業を推進すべく準備を進めていく。
創造的世界市民を育成する大学を目指して、総仕上げの3年間の開始でもあり、創立50周年以降の創価大学像を描き始める本年を、これまで以上に充実した一年にしていく決意をもって、学長ヴィジョンとする。

1.国際平和学研究科、通信教育部文学部の開設

本年4月、待望の「国際平和学研究科」と通信教育部「文学部人間学科」が開設となった。「国際平和学研究科」は、「平和で持続可能なグローバル社会の構築」に関する高度な研究の推進と、その研究成果に基づいた教育プログラムを実施する。本研究科では、「国際関係論」と「平和学」の両分野を包括する「国際平和学」を対象とした研究と教育を全て英語で行い、グローバル社会で活躍する人材を養成する。
また、通信教育部に新設された「文学部人間学科」では、通信教育への高まる社会的要請に応え、①異文化コミュニケーション(日本語)、②哲学・歴史学、③表現文化、④社会学の4つのメジャーを設け、言語・文学・哲学・歴史学・社会学等の領域から「人間」を探究し、創造的人間を養成することを目指す。

2.教育戦略

(1)アセスメント・ポリシーに基づいた学習成果の可視化

全学部・研究科、および共通科目において、昨年度に策定したアセスメント・ポリシーに基づき学習成果の測定および可視化を推進する。また、その結果を検討し、カリキュラム評価を通じて、教育改善につなげるサイクルを構築する。

(2)大学教育再生加速プログラム(AP)事業の自己成長記録作りの推進

AP事業を通じて本学における「アクティブ・ラーニング」の深化が進んでいる。取り組み対象学部も全学部に広がり、年次進行で自らの学びを振り返り、そこで得た気づきを次の年次に生かすアセスメント科目の取り組みも拡充している。本年度はさらに学習成果の可視化を推進し、事業完成年度を迎える先行学部を中心に、4年間の自己成長記録「学びの集大成」作りを推進していく。

(3)国内他大学との連携強化

昨年、東京外国語大学との間で「連携・協力に関する基本協定書」を、広島大学との間で「連携・協力に関する包括協定書」をそれぞれ締結した。本年度、東京外国語大学との間で単位互換制度がスタートする。また、広島大学とは教員・学生との交流を強化する。

(4)高大接続改革

文部科学省・中央教育審議会が推進する高大接続改革に呼応し、昨年度導入した新型AO入試「PASCAL入試」により、アクティブ・ラーニングへの適性を備えた新入生を迎えることができた。さらに2020年度の新共通テスト導入に向けて、受験生の学力の3要素をすべての入試で多面的・総合的に評価するための入試改革を検討しており、上半期を目途に概要を発表する予定である。
また、本年度より新制度として「アドバンストプレイスメント」を実施することとなった。これは、高校生が高校在学中に大学の授業を受け、その単位が入学後に認定されるもので、初年度は近隣の高校4校と協定を結ぶとともに、杏林大学とも相互認定の協定を結び、本制度を開始する。

3.教員の研究・教育活動

(1)私立大学研究ブランディング事業の推進

昨年度採択された大学の特色化・機能強化を促進することを狙いとした補助金事業「私立大学研究ブランディング事業」について、事業計画に則り、研究を着実に推進し、広く学内外に周知するとともに、本学の研究ブランドの一分野として確立させていく。

(2)研究支援体制の整備と強化

これまで実施してきた学内研究推進制度(研究開発推進助成金、次世代共同研究プロジェクトなど)について検証し、必要に応じて改善をはかる。また、さらなる支援体制の強化を目指し、学際領域研究を促進させるためのパネル発表等を実施する。

(3)競争的資金獲得強化のための支援制度の実施

科学研究費助成事業(科研費)をはじめとする競争的資金の採択件数および金額の増加を目指し、これまで実施してきたコンサルティング制度や、申請書類の閲覧制度に加えて、学内応募説明会の充実、外国人研究者向けの説明会等を実施する。また、科研費においては、大型種目への計画的な応募や、若手研究者の申請支援にも一層力を入れていく。

(4)適正な研究活動の推進と研究時間確保に向けた取り組みの検討開始

研究費の不正使用および研究活動の不正行為を防止するため、現在の責任体制および倫理教育等の検証を行い、さらに体制を強化していく。また、研究者の研究時間確保に向け講義時間・学内業務のバランスを計り、研究時間が最大限確保できるよう学内システムの改善に取り組んでいく。

(5)教員の業績評価制度の本格稼働

「教員の総合的業績評価委員会」において、他大学の例も参考に、研究、教育、学内業務、社会貢献をバランスよく考慮した教員の業績評価規程等を検討し、諸規程が施行された。また、特に評価の高い教員を表彰する制度も導入した。評価制度の本格稼働によって、教員個人にとどまらず、学部全体、ひいては全学の教員の教育研究活動を活発化させていきたい。

4.学生支援の充実

(1)奨学金制度の今後について

2014年度80名であった「創価大学給付奨学金」は、本年度には120名まで拡大、また「創価大学牧口記念教育基金会奨学金」も当初の60名から370名(看護学部含む)に採用人数を増やした。さらに2016年度から実施した「兄弟姉妹同時在籍者への給付奨学金制度」などの新制度を含めると、本学独自の給付奨学金の採用数は、過去最多となる見込みである。
本年度は、本学における今後の奨学金制度の在り方について、総合的に検討していく。

(2)学生寮のさらなる充実

昨年4月にオープンした「滝山国際寮」(男子400名)、「万葉国際寮」(女子144名)で、RA(レジデント・アシスタント)を導入し、運営を開始した。寮内では、留学生と日本人が共同生活をする中で異文化交流を体験し、充実した寮生活を送っている。本年度は、既存の女子寮を改編し国際学生寮を増やす準備を進め、さらに創造的世界市民の育成に取り組む。
他の各寮では、教職員による寮アドバイザー制度を活用し、学習・生活両面のサポートの充実を目指す。

(3)地方Uターン就職希望者への進路・就職活動支援

創友会(同窓会)と連携し、地方Uターン(Iターン)就職希望学生とのOBOG懇談会を引き続き行い、地元企業情報を提供するなど就職活動のさらなる支援を行う。また、各県との就職支援に関する協定の締結を推進し、Uターン希望学生の就職支援を促進する(本年1月現在、7府県市と締結)。
企業の選考試験、公務員・教員採用試験を地方で受験する際、交通費の一部を補助する地方Uターン就職支援制度を引き続き実施し、地方就職を希望する学生を支援する。

(4)留学生へのキャリアサポートの強化

スーパーグローバル大学創成支援の進展に伴い、年々留学生が増加している中、昨年度より留学生のためのキャリア科目(キャリアデザイン基礎、キャリアビジョンⅠ)を開講している。本年度は、ビジネス日本語とビジネスマナーの科目を加え、さらに英語によるキャリア科目を新設してEMPに所属する留学生のサポートを実施する。あわせて、インターンシップ(日本語、英語対応)を積極的に実施し、留学生へのキャリアサポートの強化をはかる。

5.国際戦略

前述のとおり、2014年度に採択された「スーパーグローバル大学創成支援」は、昨年度に中間評価を受け、「S」評価を獲得した。中間評価では、国際平和学研究科の設置やアフリカとの交流のユニークさ、イングリッシュトラックの全学的な展開の好影響、留学支援体制の充実や国際寮の設置の先駆性、全学的な体制での取り組みの真摯さなどが評価された。そして今後、本学としてのさらなる独創的な理念、取り組みについて、期待されたところである。次の中間評価の対象年度である明年度の目標達成へ向け、本学が掲げた4つの取り組み「グローバル・モビリティ:学生の海外派遣・受入れの拡大を通じたキャンパスのグローバル化」「グローバル・ラーニング:『創造的世界市民』を育成する学部教育プログラムのグローバル化」「グローバル・アドミニストレーション:大学の運営体制・決定手続のグローバル化」「グローバル・コア:人間教育の世界的拠点の形成」への注力を継続する。

(1)グローバル・モビリティ

昨年度までに、海外交流校は58か国・地域195大学となった。また海外語学研修プログラム(英語)について、ワールドランゲージセンターとグローバル・コア・センターが連携して、春季・夏季に集約化した大型の研修プログラムを開発する。これにより、学生の単位修得を含む海外留学経験者数が飛躍的に伸びることを期待する。
また、留学生の派遣・受入れを支援するために奨学金も充実をはかってきた。昨年度は、海外に留学する学生約210名、本学で学ぶ留学生約460名に対し奨学金を支給し、修学支援を行った。今後も効果的な経済支援制度を検討する。
外国人留学生のサポートセンターについて、一部ハウジングサービスは創学サービスとの連携により実現する方向だが、その他、生活サポートやキャリアサービスについて一層の充実をはかる。さらに、外国人学生の9月入学受入れを行う。学則等の改正も行い、これに対応する新教学システムが、本年度から稼動した。

(2)グローバル・ラーニング

EMPは、本年度に国際平和学研究科の開設もあり、新たに4コースが開設され、合計11コースとなった。今後、英語圏からの留学生受入れなど、この11コースの履修者を確保するために広報活動等を企図する。本年度大学院にGPA制度が導入されるが、学部においては明年度にGPA制度をよりグローバルな質保証に対応するよう改正する。さらに本年度から共通科目に「世界市民教育科目群」を設置し、「平和・人権・環境・開発」の学修を通してグローバル人材の育成をはかる。

(3)グローバル・アドミニストレーション

本年3月に、「東南アジア高等教育機関協会」(ASAIHL)の総会が、「多様性と地球市民のための高等教育」をテーマに、本学を会場校として開催された。東南アジアとの交流は深まりつつあり、本年度にフィリピンに事務所を開設する。上述の春季・夏季の語学研修プログラムの拠点としても機能する予定である。

(4)グローバル・コア

いよいよ「国際平和学研究科」がスタートし、世界8か国・地域から、13名が入学した。人間教育の世界的拠点の構築に向け、平和と持続可能な繁栄を国際社会に提起する研究のコアとしての役割を期待している。

6.通信教育部の取り組み

通信教育部では、本年度より新たに、「文学部人間学科」の通信教育課程を開設し、4学部5学科の体制へと発展した。
教育環境についても、スクーリング受講の経済的負担軽減のために設けられた給付奨学金も授与が始まる。また、これまでのメディア授業(DVD)やレポート提出・添削をWEB上で行うようにするとともに、学生のポータルサイトでは補助教材「学光」をデジタルブックとして閲覧可能にした。さらに、明年度以降のメディア授業(オンデマンド)の開講科目増加に向けて、準備を進めていく。