グランドデザインとは

池田記念講堂
創造的人間を育成する大学に

創造的人間を
育成する大学に

我々が希望を抱いた21世紀。しかし、その現実は教育界をはじめ、社会のあらゆるところで混迷の一途をたどっています。閉塞感のある社会にあって、その状況を変えゆく人材が求められており、高等教育に携わる者の責任は重大であると深く受け止めています。いかなる時代にあっても、建学の精神を体現し、新たな価値を創造してゆく「創造的人間」の育成こそ、創価大学の使命であります。

創価大学グランドデザインの
アクション・プラン

1998年4月に第1回目が発表されて以来、学長が毎年度のはじめに教育ヴィジョンを発表しています。このヴィジョンは、広く学内各部局関係者の声を反映し、達成・実現度を年度末に総括し、その過程で、次年度ヴィジョンの策定に入るというサイクルができあがっており、大学運営の骨格をなしています。

2017アクションプラン

グランドデザイン第3ステージへ
-建学の精神に基づく「創造的人間」の育成-

創価大学の歴史の中で、昨年度は様々な分野における学生の活躍がひときわ目覚しい一年であった。国際的な分野では、G20加盟国を中心に各国から1名が選出されて開催される国際女性会議「Girls20サミット2016」をはじめ、多くの会議や青少年交流事業に、本学の学生が日本を代表して参加した。さらに、日本政府がケニア共和国で開催した第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)の「日本・アフリカ学生イノベーターズ・エクスポ」において、最優秀の発表者に贈られる「Grand Award」に本学の学生が選ばれるなど、世界を舞台に活躍し多大な成果をおさめた。
また、大学コンソーシアム八王子やネットワーク多摩主催のコンテストに参加して、最優秀賞等の受賞や八王子特産米の米粉を使用したパンを開発するなど、地域に貢献する学生たちの活躍もあった。そして、その他国内で開催された、様々なコンテスト、大会や会議に参加し、日頃の研鑽の成果を充分に示した。
一方、スポーツの面では、2016プロ野球ドラフト会議において、1位・2位と上位指名で、硬式野球部から二人のプロ野球選手が誕生。さらに箱根駅伝では、2年ぶり2回目の出場で、初出場時を大きく上回る記録と順位で、初めて襷を繋ぎゴールテープを切ることができた。
この他にも難関国家試験や難関企業の採用試験の突破等、本学で培った「自分力」をいかんなく発揮した学生も枚挙に暇がない。学生諸君の活躍とそれを支える教職員、さらには関係者の皆さんに、心より感謝申し上げたい。
さて、創立50周年を目指し、2010年に策定した「創価大学グランドデザイン」も、本年度はいよいよその最後の段階である第3ステージに入る。このグランドデザインは、「創造的世界市民の育成」のためのシステム構築へ向けたロードマップであり、今後4年間でそのシステムの完成を目指したい。本年度は、2014年に採択された文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」の第1回の中間評価の年でもあり、一つひとつの計画を着実に実行していきたい。
昨年度は、各学部・研究科において「三つの方針」すなわちディプロマ、カリキュラム、アドミッションの三つのポリシーを見直し、それぞれの教育の目的と特色を明らかにした。特にディプロマ・ポリシーの中で、本学がこれまで取り組んできた「創造的世界市民の育成」にあたって、身につけるべきものを以下のとおり掲げた。

  • ○知識基盤:幅広い知識と高度な専門性
  • ○実践的能力:知識を社会に応用する力とコミュニケーション力
  • ○国際性:多様性を受容する力と他者との協働性
  • ○創造性:統合する力と創造的思考力

今後は、一人ひとりの学生がこれらを自分のものにできるよう、本学の教育を継続的に改善する「内部質保証」システムを構築し、機能させていきたい。その第一歩として、内部質保証に関する全学的な方針や組織のあり方について議論を開始する予定である。
本年度は、創立者池田先生が本学の設立構想の発表以来、幾度となく学生に語りかけてくださったスピーチ等をまとめた『創立者の語らい』をデジタル化することにより、本学が養成すべき人材の骨格となる数々のスピーチに、これまで以上に学生がふれることができる。本年度の新入生が卒業する2021年に、創価大学は創立50周年を迎える。教職員と学生が一体となって、大学の理想像をえがく『創立者の語らい』を学ぶことから、創立50周年への新たな出発を開始したい。創価大学の未来に責任を担う一人ひとりが、自らの課題に全力で挑戦することを願い、本年度の教育ヴィジョンとする。

1.教育の取り組み

(1)グローバル化に対応した新カリキュラムの準備

新カリキュラム実施準備の最終段階となる本年度は、新たに4学部におけるイングリッシュトラックの開設、「世界市民教育科目群」導入を柱とする共通科目の再編、秋入学を想定した学年暦の柔軟化、グローバルスタンダードを意識したGPA制度などについて検討する。

(2)新3ポリシーにおける学習成果の評価

新しいディプロマ、カリキュラム、アドミッションの3ポリシーが策定されたことをふまえ、カリキュラムレベルはもとより、個々の授業科目レベルにおいても、3ポリシーを意識した学習成果の可視化によるアセスメントを進める。

(3)導入教育、初年次教育の充実

昨年度発足した「初年次教育推進室」を中心に、入学前教育、初年次教育、専門科目への導入教育を体系的に推進する。高大接続改革の動向をふまえつつ、学士課程教育における学習を成功裏に進めるための基礎的スキルの養成を目指す。

(4)高大接続改革

文部科学省中央教育審議会による高大接続改革の呼びかけに応え、本年度から、「PASCAL(パスカル)入試」(=Performance Assessment of Students' Competency for Active Learning)を実施する。アクティブ・ラーニングの一つであるLTD(=Learning Through Discussion・話し合い学習法)によるグループ・ワーク、小論文、面接を通じて、受験生の学力の3要素を多面的・総合的に評価する。本学では初年次教育においてアクティブ・ラーニングを積極的に採用しており、本入試の実施により、高大接続の新たなモデルを提示していく。

(5)大学院教育の新たな展開

グローバル化の進展で、大学院でも外国人学生が増加してきている。イングリッシュトラックを提供している研究科では特に著しい。秋入学制度への対応、学生数の適正管理、進路支援などの体制整備を進める。また、明年度から経済・法・工学研究科において学部・修士5年一貫制度を導入する。

2.教員の研究・教育活動

(1)研究支援体制の整備と強化

本年度は「研究推進センター」を開設する。研究推進センターは以下の事業を主に担う。

  • 1)研究戦略の構築
  • 2)適正な研究費の管理
  • 3)研究支援体制の充実・強化
  • 4)実効性のある研究倫理・コンプライアンスへの取り組み

(2)競争的資金獲得強化のための支援制度の検証

「科学研究費助成事業」の採択件数の増加に向けて、これまで実施してきた支援セミナーやコンサルティング、応募書類の閲覧制度、また、不採択者の明年度採択に向けた研究資金である研究開発推進助成金について、実績を検証し、より実効性のある制度を検討する。

(3)研究不正行為防止への取り組み

研究活動における不正行為防止のため、これまで公正な研究活動環境を確保する「研究活動倫理委員会」を中心として、様々な倫理プログラムを検討・実施してきた。昨年度は、これまでの専任教員等に加えて、大学院生に対して研究倫理教育を行った。本年度は、将来研究者を目指す学部生等への倫理プログラムを検討していく。

(4)教員の業績評価によるインセンティブの付与

「教員の総合的業績評価委員会」において、他大学の例も参考に、研究、教育、学内業務、社会貢献をバランスよく考慮した教員の業績評価の方法を定めるとともに、インセンティブの付与方法を盛り込んだ規程等を制定し、学内に周知させる。具体的な作業の進め方については作業部会を設けて検討を進め、早期の実施をはかる。さらに、業績評価は個人にとどまるものではなく、学部全体、ひいては全学の教員の教育研究活動を活発化させるためのものであるとの意識を広げていきたい。

3.学生支援の充実

(1)奨学金制度の拡充

昨年度から実施した「兄弟姉妹同時在籍者への給付奨学金制度」では、該当する新入生に給付を行った。本年度は、「創価大学牧口記念教育基金会大学院奨学金」を新設し、文系および理系大学院生50名に奨学金(20万円)を給付する。また、「創価大学牧口記念教育基金会学部生奨学金」と「創価大学給付奨学金」の採用人数をそれぞれ拡充する。

(2)学生寮のさらなる充実

本年度は、4月にオープンした「滝山国際寮」(男子400名)、「万葉国際寮」(女子144名)で、新たなRA(レジデント・アシスタント)を導入し、運営を開始した。寮内では、留学生と日本人が共同生活する中で異文化交流を体験し、人間性豊かな世界市民に成長できるよう取り組む。また他の各寮では、教職員による寮アドバイザー制度を活用し、学習・生活両面のサポートのさらなる充実をはかる。

(3)地方Uターン希望者への進路・就職活動支援の強化

創友会(同窓会)と連携し、地方Uターン(Iターン)就職希望学生と懇談会を引続き行い、地元企業情報を提供するなど就職活動のさらなる支援を行う。また、各県との就職支援に関する協定の締結を推進し、Uターン希望学生の就職支援を促進する。昨年度より実施している地方Uターン就職支援制度(企業就職、公務員・教員採用試験で地方Uターンする際の交通費を一部補助)で交通費の支援を行った。本年度も引続き、地方就職を希望する学生の支援を行う。

(4)留学生へのキャリアサポートの強化

「スーパーグローバル大学創成支援」の進展に伴い、年々留学生が増加している中、本年度より、具体的な留学生のキャリアサポートとして、留学生のためのキャリア科目(キャリアデザイン基礎、キャリアビジョンⅠ)を開講する。あわせて、インターンシップ(日本語、英語対応)を積極的に実施し、留学生へのキャリアサポートの強化をはかる。

4.スーパーグローバル大学創成支援

2012年度に「グローバル人材育成推進事業」(※現在のGGJ)に採択され、2016年度をもって5年間の事業期間を終了した。また2014年度に採択された「スーパーグローバル大学創成支援」は4年目を迎え、GGJの最終評価を兼ねて、中間評価を本年度受けることになっている。本学が掲げた4つの取り組みのそれぞれの数値目標については、これまで概ね達成してきており、本年度もその努力を継続していく。

(1)

グローバル・モビリティ

前述したように留学生と日本人学生が混住する「滝山国際寮」「万葉国際寮」が新設されたことにより、多様な文化や考え方との出会いが生まれ、学生生活レベルで創造的な世界市民を育む環境が醸成されていくことが期待される。昨年度は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協定を結び、難民に高等教育を受ける機会を本学が提供することとし、本年度は最初の学生を迎え入れた。

(2)

グローバル・ラーニング

イングリッシュトラックのコースを計画通り明年度に開設できるよう準備を進める。特に秋入学などアカデミックカレンダーの課題を解決し、国内外の学生が広く英語で専門分野を学ぶ環境を整える。

(3)

グローバル・アドミニストレーション

本年度、「国連開発計画」(UNDP)との協定の締結を計画している。こうした国際機関との連携により、世界市民育成の機会を増やしていけると考える。さらに本年度末には、本学がホスト校となって、「東南アジア高等教育機関協会」(ASAIHL)の総会を開催する。昨年度は中国(北京)に続き、タイ、韓国に本学事務所を開設したが、本年度はフィリピン事務所の開設を目指す。本学の人間教育の取り組みを広くアジア、そして世界へと紹介していきたい。

(4)

グローバル・コア

明年4月、大学院に「国際平和学研究科」(仮称)を開設すべく申請業務を進める。新研究科では外国人教員が多数を占める予定で、原則英語を使用した授業を実施する。またフィールドワーク等、より実践的な研究を海外で行うなど、将来国際機関で世界平和に貢献できる人材の育成に取り組みたい。

5.通信教育部の取り組み

通信教育部は、昨年開設40周年を迎え、記念事業として、スクーリングを受講する学生の経済的負担の軽減のため、給付奨学金制度を新たに設けた。また、「学生サポート」の一環として実施している「レポート作成講義」に、本年度より新たに「入門タイプ」を設け、さらに充実させていく。
明年度には新学部として文学部の通信教育課程を開設する(設置認可申請中)。あわせて、レポートの提出・添削のWeb化を含めたeラーニング化を大きく進めるなど、教育環境をさらに整備していく。

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